2018/06/22
改善する社長は「報告」を伝え、ダメ社長は「やっている。」と言う
事業再生や経営改善、経営改善計画・・・
佐原が、苦戦企業の経営改善の仕事に関わりはじめたのは平成14年のこと。
早いもので、かれこれ16年も経ってしまった。
経営改善支援の関与先数を正確に数えたことはないが、軽い関与も含めれば、おそらく200社は超えていると思う。
関与した企業の全てが上手く立ち直ってくれるように経営支援を行うわけであるが、それだけの会社数と関わると全ての会社が改善を果たすわけでもなく、残念ながら停滞してしまう会社もある。
なかには、道半ばで自己破産に至る会社もあった。
こうした苦戦企業に接していると、時々その会社の社長から次のように聞かれることがある。
「佐原さん、苦境を脱して立ち直っていく会社と、いつまでも良くならない会社には、どのような違いがあるのでしょうか?」
この問いかけは、企業再生支援をはじめて間もないコンサルタントから受けることもある。
私は次のように答えている。
「改善する社長は「報告ベース」でものを言い、ダメ社長はいつまで経っても「今やっている最中だ。」と言う。」
この二つの言動は、明確に分かれる。素人でもすぐにわかるだろう。
その会社への2回目の訪問で峻別できるのだ。
即ち、初回の訪問や、前回の訪問でのやりとりで、「○○の取り組みを進めましょう。」と佐原が伝えたり、「△△をやってみます。」と社長が宣言してくれて、次回訪問までに取組を進めてもらうわけであるが、その後の訪問時に、社長の言動が二つに大別されるのである。
改善する会社の社長は、次のような話をしてくれる場合が多い。
「佐原さん、前回お話した○○ですが、△△のように進めた結果、□□となりました。」
「佐原さん、管理者を集めて○○をしようという話になり、今日までに△△の成果が上がりました。」
全て、「報告ベース」で話をしてくれるのである。
換言すると、「実行した後の」反応や結果、修正事項、感想、などを伝えてくれるのである。
したがって、「次の段階では△△を進めましょう。」とか「上手くいかなかったのなら、やり方を変えて○○をしましょう。」という、次の手が打てるのである。
しかし、経営改善が進まない会社の社長は、次のような言い方になる。
「ああ。前回に話したあれ? 今やっている最中なんですよ!」
「生産が忙しくて、なかなか手が付けられなくて・・・」
「ウチの会社も人が少なくて・・・ やってはいるんですがなかなか・・・」
こんなセリフを、その後の訪問の何回かに亘って聞かされることになるのだ。
下手すると1年くらい、同じことを言い続けることもある。
と言っても、3回くらい同じことを聞かされて、何も実行された形跡がないと、さすがに私も鉄槌を下すことになる。
中小企業の業績は、社長の姿勢と行動に大きく左右される。
「思考が感情を生み、感情が行動を促し、行動が成果を生む。」と言われる。
行動していない社長に、期待する成果など生まれようもないのだ。
「良い会社」と「ダメ会社」があるのではなく、「良い社長」と「ダメ社長」の二種類の社長が居るだけである。
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