2019/11/25
経営リファイン承継Ⓡチェックリストの活用
会社が事業承継を行うタイミングでは、現社長と後継者との意見相違が生じることが少なくない。
それは、今後の事業の方向性であったり、会社内の組織や人事管理の方針であったりと、経営全般に亘って現社長と後継者との間で意見相違が生じやすい。
それは二人が生きてきた時代背景が異なることもあるし、違う人間なのだから日々の経営を見ていて感じることやそこから見出す方向性に違いが生じることがむしろ自然なことともいえる。
そして後継者の新しい経営感覚が、変わりゆく経営環境に対応しながら企業が生き抜くうえで必要な、新たな経営管理の方法に変革を促す起爆剤にもなっていく。
こうした現社長と後継者との意見相違をあぶり出すために、佐原が新たに事業承継支援に関わらせて頂く会社では「経営リファイン承継Ⓡチェクリスト」を活用するときがある。
これは、会社経営や事業承継に関する考え方を50項目ほどの質問項目に回答する形としている。
この「経営リファイン承継Ⓡチェクリスト」を現社長の後継者のそれぞれに回答記入して頂くことで、自社の経営状況や会社の将来像、事業承継の方針などについて認識や考え方の相違点を浮き彫りにしていく。
一例を挙げるとチェックリストの質問項目は次のような項目である。
〇経営方針
□経営理念が明確で社員全員に浸透しているか
□経営理念に沿った行動ができているか
□・・・
□・・・・
〇営業管理
□営業目標は明確で適切な水準か
□営業リーダーのモチベーションや管理能力は十分か
□・・・
□・・・・
〇事業承継方針
□事業承継の時期は明確に定まっているか
□事業承継計画が立案され、その計画に沿って進められているか
□承継の方針は現社長と後継者の間で綿密に共有されているか
□・・・
□・・・・
こうした質問への回答結果を現社長と後継者との間で比較してみると、驚くほどに違いがあることが少なくない。
例えば「組織に活力はありますか?」という質問項目に対して、現社長は「十分にある」と回答しているにもかかわらず、後継者は「不十分である」という正反対の回答をするケースだ。
次には、そうしたチェックリストの回答結果の相違点について、佐原がコーディネーターとして両者の間に立ち、その回答理由やその要因などについてヒアリングを行っていくことになる。
会社も含めて、物事は多面的に見てみないとその実態が把握できないものである。
飲料が入ったペットボトルも、真横から見れば「ペットボトル形状」だが、真下から見てみると単なる「丸」に見えるし、斜め下から見れば「長方形」に近い形に見える。
いろいろな角度や視点から、多面的に物事を捉えることではじめてその物の実態が把握できる。
だから、会社経営というモノを多面的に捉えるには、現社長の話だけでなく、後継者の話や、場合によっては管理者や中堅社員、若手社員など、いろいろな視点から捉えることが大切である。
そして現状の実態把握が甘いと、今後の改善策や進むべき方向性を見誤りかねない。
だから経営支援パートナーとしては、事業承継の当事者である現社長と後継者のそれぞれの視点と認識の違い、考え方の相違点を多面的に見ることをまずはじめの仕事としている。
・「経営リファイン承継Ⓡ」をより詳しくご覧頂くには下記をご参照下さい。
↓
https://sahara-keiei.jp/businesssuccession/succession04.php
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