事業承継コンサルティングの株式会社経営支援パートナー(愛知県名古屋市・豊橋市)愛知、岐阜・三重・静岡の経営支援、事業承継コンサルティング

0532-66-1351

新着情報information

ホーム > 新着情報 > 成功・失敗事例から考える!円滑な事業引継ぎメソッド ⑧

2016/07/10
成功・失敗事例から考える!円滑な事業引継ぎメソッド ⑧

小規模企業がM&Aを活用した事業承継対策

前回は、事業そのものの魅力や財務内容の健全性、経営者への依存度といった譲渡企業としての要件が求められるなど、小規模企業のM&A活用が進んでいない要因についてお伝えしました。そこで今回は、M&Aを上手に活用した事業承継を行うために、どのような対策を実施していけばよいのか、具体的手法をご紹介いたします。

小規模企業がM&Aを上手に活用するには、それなりのコツがあります。今回はその対策についてご紹介させて頂きます。また、一口にM&Aと言っても、買い手である譲受企業と、売り手となる譲渡企業の2つの立場がありますが、ここでは譲渡企業としての対策という前提で話を進めさせて頂きます。

(1) 事業の魅力を高めておく

魅力のないビジネスや事業に買い手はつきません。少なくとも利益を確保できる事業にしておきたいものです。そのためには小売業でも製造業でも、顧客から支持される商品づくり、お客様との関係構築、適正利潤を頂ける価格設定など、ビジネスとしての体裁をしっかりと整えておくことが肝要です。

また、自社の強みを明確化しておくことも大事です。強みのなかでも、顧客との取引基盤や強固な信頼関係、地元での知名度、独自技術、参入障壁、といった競合他社に簡単に真似できない要素は、事業の魅力を高めてくれます。

(2)財務内容の健全性、透明性の確保

 小規模企業では、赤字決算や借入過多などにより財務内容が傷んでいる場合が少なくありません。また決算内容にも、減価償却の未償却分や代表者等への貸付金や借入金、未回収の売上債権や不良在庫の計上など、譲受企業から見て好ましくない内容もあります。時間をかけてでも、これらを事前に解決しておくことが必要です。また、こうした決算の組み方によって、これまでの経営姿勢が透けて見えてしまうので早めに正しい姿に体質改善を図っていくことが肝要です。

(3)公私の区別

 ここで言う公私の区別とは、法人と経営者個人の資産の区別がしっかりとできていることを指します。具体的には、法人で購入した車が社長の日常の足になっていたり、社長の個人名義の土地の上に法人名義の事務所が建てられていたり、ということです。これらのことは、中小企業では一般的に行われていることではありますが、M&Aを進める際には、ひとつずつ権利関係を整理していく必要が生じてきます。程度の差はありますが、もし自社を他社に譲り受けてもらうことを想定しているのでしたら、事前に少しずつ整理をしていくことをおすすめします。

(4)管理者の育成と権限委譲

小規模企業をM&Aで売却する際にネックとなるのが、社長への業務の依存度です。社長が引退したら事業が回せない会社にも、買い手はつきにくいものです。具体的には、社長が営業から生産、施工など業務の要を担っており、社長が抜けたら売上が激減してしまったり、これまで作り出せていた製品やサービスが提供できなくなってしまう状況では困ります。そうならないためにも、早い段階から管理者の育成と権限委譲を進め、社長が居なくても会社が回せる状況にしておくことが大事です。

(5)良きアドバイザーを見つける

 M&Aとはどのようなものか? どのような準備が必要か? どのように進めるべきか? 未知な点が多いM&Aですが、その道に詳しい良きアドバイザーを見つけることが大切です。「社長は孤独な職業」とよく言われます。お一人で悶々と過ごすよりも思い切って相談することで開ける道もあります。


ページの先頭へ

月別一覧

最新の記事

株式会社経営支援パートナー

受付時間:9:00~18:00