事業承継コンサルティングの株式会社経営支援パートナー(愛知県名古屋市・豊橋市)愛知、岐阜・三重・静岡の経営支援、事業承継コンサルティング

0532-66-1351

新着情報information

ホーム > 新着情報 > 事業承継で揉めてしまったら・・・

2019/08/05
事業承継で揉めてしまったら・・・

承継で揉めたら.PNG

 事業承継、それも親族内承継では、どんなに細心の注意を払って進めていても、親族内で揉めてしまうことがある

それは、現社長と後継者との方針の違いであったり、自社株式の移転方針であったり、「揉め事の種」は様々である。

ただ、こうした揉め事がなぜ起こるか?ということを考えてみると、次のようなことが多い。

① 相反する利害関係

② どちらかの一方的な我儘

③ 配慮と思いやりの無さ

④ 相手への過度な期待

⑤ 事業を引き継ぐことの認識不足

①相反する利害関係

よく有りがちなことが、自社株移転の方法についてである。

自社株であるから、現社長から後継者へ移転を進めるわけであるが、これは個人間での売買か贈与となる。

引き受ける側は、当然に贈与(タダでも多額の贈与税がかかる場合も)で受けたいと考えるが、引き渡す側は、買い取って欲しい、と考える。

 

他には、一線を退いた社長やその妻が、会社にはほとんど顔を出さず、仕事もしていないのに、不相応な役員報酬を得ているケースなどである。

後継社長は、会社の競争力維持のためにこうした役員報酬を削減したいと考えるが、引退した役員たちは老後の年金代わりのようにいつまでもそれを要求していたりする。

②どちらかの一方的な我儘 

 引退する社長が求める多額の役員退職慰労金などがある。

会社の財務体質が弱いうえに資金が無いにも関わらず、役員在職年数が長い場合には、役員退職慰労金の損金算入限度額が何千万円から何億円の多額になる場合もある。

あくまで「損金算入限度額」であるにも関わらず、「自分がもらえる退職金の額」とすり替えて都合よく解釈してしまう場合がある。

 こうした場合には、会社に退職金を支払う資金がないため、多額の銀行借り入れをしてでも支払うケースを何回も目にしてきた。

そのツケを支払っていくのは、会社に残された後の世代たちである。後継社長だけでなく、社員たちも借入返済が落ち着くまでは給料を上げたくても上げられずに背負っていく構造だ。

③配慮と思いやりの無さ

 これは、引退していく社長側にも後継者側にも両方ともに当てはまる。

例えば、退き行く社長が「もう少しこの会社で仕事をしていたい」と思っているのに、後継者が、あっさりと完全引退を強要してしまうケースなどが該当する。

 会社も収益を上げ続けていく必要があるので、配慮と思いやりなど感情面での経営をし続けるわけにもいかないだろうが、そこは調和とバランスを考慮して判断したいところだ。

④相手への過度な期待

 社長が、後継社長の経営手腕に対しての期待などである。後継社長に代が変わっても会社の収益を上げ続けてほしい、という期待は当然にある。

しかし、会社の業績は良いときもあれば、そうでないときもある。

期待してはいけない、という意味ではなく、代が変わるのであれば、その相手に「任せる覚悟」も必要なのではないだろうか。

⑤事業を引き継ぐことの認識不足

 事業を引き継ぐ、ということは、後継者に全てを任せるということである。それは会社の経営から営業活動、役員や管理者の選任までの全てについてである。

 しかし、会社を引き継いだ後でも会社経営に過度な口出しをするケースが多い。

確かに、先代社長から見れば、自分の生涯をかけて築き上げてきた大事な会社である。それも一定の戦略や方向性に向けて事業活動を進めてきた結果としての、今の会社の姿であろう。

そうした会社を、後継社長がまた違った方向に経営の舵を切っていくことが許しがたい場合もあるだろう。

しかし、それも含めて会社経営を任せた、ということではないだろうか

これは引き継ぐ側の覚悟でもある。

上記のような事業承継に関する「揉め事の種」は、起こってしまった場合には、当然にその収束に向けて進めるわけであるが、相反する利害関係の解決などは、「どちらかが、どこかで折れる」か「妥協する」、「歩み寄る」などをしなければ、収まらない。

そうしたときにとても大事なことは、関係者全体にとって「何を最重要とするか」を、まず決めておくことである。

「何を最重要とするか」には、例えば次のようなものがある。

・親族間の調和

 盆正月に親族でまた和やかに顔を合わせたいのか

・会社の健全な存続

 社員や取引先の全てが関わる会社の健全な経営を最重要とするのか

・親族内経営陣の一枚岩の体制

 人も資金もノウハウも限られる中小企業では、一人でも多くの経営者が一枚岩となっていることが必要である

・自分個人の資金力

 他の全てを後優先にしても、自分個人の資金力を蓄えたいのか

これらは、すべてが必要なことであるとは思う。

しかし、全てを満たすことができないのであれば、何かを諦めるしかない。

逆に、何かを諦めることで、他の何かを得られたり、存続させられるという選択肢もある

事業承継のタイミングで、関係者間で揉めないことがベストであることは言うまでもない。

しかし、万が一揉めてしまうような事態になってしまったとしたら、「何を最優先とするか?」について自問自答してほしい。

後継者と新社長のための社内体制づくり

・「経営リファイン承継Ⓡ」をより詳しくご覧頂くには下記をご参照下さい。

               ↓

https://sahara-keiei.jp/businesssuccession/succession04.php

ページの先頭へ

月別一覧

最新の記事

株式会社経営支援パートナー

受付時間:9:00~18:00