2018/04/13
兄弟経営は上手くいくのか?
「兄弟経営は上手くいかない。」経営者の間ではそのように言われることが多い。
確かに同感である。
私の肌感覚では、おそらく8割5分以上は上手くいかないだろう。
理由はいろいろある。
・兄弟間の幼いころからの確執
・兄はデキる男だが、弟はデキない。またはその逆。
・意見相違。兄弟でなければどちらかが折れるところを、お互いに曲げない。
・弟はどこまでいってもナンバー2であり、トップになれない。認められない。
事業承継のタイミングでは、兄弟の親が継がせ方を間違うこともある。
例えば・・・
兄は事業を引継がないつもりで、他社に就職した。
弟は承継するつもりで自社の事業に携わる。
その後、兄は就職先を退職し、自社に戻ってくる・・・
ありがちなパターンだ。
兄としては、逃げ帰れる家業があるから戻ってきたのだ。
親は、それを受け入れず、兄を自社に入社させるべきではない。
しかし、経営者である前に、子の親でもある。親心が生じるのもわからないでもない。
ここまではまだ良い。
最悪なパターンは、兄を次期社長にしてしまうことだ。
事前に弟が承継する話で進んでいたにも関わらず。
そのような会社を知っているが、その後どうなっただろうか?
弟は、会社を出て行ってしまった。
兄は、最初から継ぐ意思もなく、経営に対する覚悟も薄い。
従業員もついてこない。
会社の経営も上手くいかなくなっていった。
一方で、兄弟経営で上手くやれている会社もある。
静岡県の某看板制作会社である。
後継者の兄弟3人が非常に良好な関係で事業を営んでいる。
その理由は下記のようなものである。
①兄弟3人の役割分担が明確
長男の役割は、経営戦略、営業、看板のデザインである。
二男は、野立看板の基礎や工事
三男は、看板制作に必要な塗装やレタリング、カッティングシート貼り
だから、それぞれの分野の責任者であり、役割分担が明確である。
戦国時代、中国地方を治めていた毛利一族もそのような役割分断があったと聞く。
日本海側の戦の権限は吉川が握り、瀬戸内側は小早川が握るというように。
②先代が兄弟仲よく経営することを事あるたびに言って聞かせていた
どうやらこの看板店、先代社長は兄弟げんかの末、家を飛び出てきたらしい。
だから、自分の息子たちにはそのような思いをさせたくないことから、兄弟間の調和の重要性を言って聞かせてきたらしい。
「兄弟経営は上手くいかない。」 そのような場合が多いのは事実であるが、上手くいかせるコツがるのもまた事実。
兄弟を含めた親族間の結束はプラスに作用すると、これほど強いものはない。
兄弟経営のリスクを克服し、強みに転じたいものである。
㈱経営支援パートナーでは、「後継者と新社長のための社内体制づくり」にも力を入れています。
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