2017/12/10
事業承継したくない社長の心理
「佐原さん・・・ 数年後には息子に事業を継がせたいと思うのですが、どうもまだ息子の意識や経営能力が不安で・・・」
ご相談を頂いた社長からこのような声をよく聞きます。勿論、社長の言うことはよくわかります。しかし、後継者としての意識や自覚とか、経営能力というものは、どのレベルに達したら十分という基準はあるのでしょうか。
社長も後継者も、経営者として、人間としての成長はそれぞれに今後も続いていくことでしょう。そうしたなかで、社長が後継者に対して「経営者としてもう十分な力だ。」と心から思える段階というものは、そうそうにはやって来ないものと考えていたほうがよさそうです。なぜなら、経営能力や経験といった面で、後継者が先代を超えることは並大抵のことではないからです。特に創業社長の場合には、まったくのゼロから会社を起ち上げ、資金を準備して設備を整え、営業活動により顧客を創出し、人を採用して育成し、利益と資金を再投資していく・・・このような経営基盤を積み上げてきた熱意と努力は並大抵のことではないことは容易に想像がつきます。このような血の滲むような努力から会得した経営能力に太刀打ちできるだけのものを後継者が備えるというのは、これまた大変なことです。
また、創業社長が苦労して育て上げた会社は、自分の分身のような存在であり、後継者であるわが子と同じくらいに大切な存在になっていることでしょう。そうした自分の体の一部のような会社を、たとえ我が子であっても他人の手に委ね、自分が代表の座を明け渡すということは、まさしく我が身を切られる思いであるといえるでしょう。
ほかの心理としては、社長が会社の代表であるからこその立場や責任とそれに見合う収入、仕事を遂行する醍醐味、社長同志のお付き合い、立ち居振る舞いなどがあります。引退する社長は、こうしたものも手放さなくてはなりません。特に仕事一筋で歩んできた社長ほど、その傾向は強いことでしょう。
つまり・・・社長にとって事業承継とはできればしたくないものなのです。
私のような経営コンサルや事業承継を支援する立場の人間は、そうした引退社長の心情を汲んだ経営支援をしていかねばなりません。
そもそも事業承継したくない社長が、いかにして進んで承継をしたくなるか・・・
そのような「継がせたくなる承継」を私は日夜真剣に考え、取り組んでいます。
おそらく、そうしたことについて書かれた本はどこにもありません。
ただし、ちょっとしたコツはあります。
このような「継がせたくなる事業承継」を進めるためのコンサル手法は、事業承継パッケージ「経営リファイン承継」のなかでも行っています。
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