時期:
有限会社デンタルワールド 様
佐原に経営コンサルを依頼したきっかけ
平成11年くらいに信金営業者として、父親が経営する歯科技工所に周って来てもらっていたことですね。その後、平成22年くらいに若手経営者が集う経営塾で久しぶりに再会しました。佐原先生が講師で、私が受講者として受けていました。
そんな再会の後、私は社長として世代交代を経験していましたが、会社の経営戦略を描く意味でも経営革新計画の策定をしたいと思っていました。そんな話を佐原先生としたところ、過去に30件ほど経営革新計画の策定支援を行い、承認を得ていたことをお聞きしました。それではということで自社も申請をお願いしたことがきっかけとなりました。
実際の計画策定では、私が思い描く経営の方向性や取り組みたいことを話すと、佐原先生がプロジェクターで計画書式を写しながら取組計画や利益計画の数字としてまとめていきました。自分の頭の中が書面化されると、自分自身の決意も固まりますし、業務多忙ななかでも取り組んでいかねばならないことがその期日とともに明確になりました。また、取り組み計画を作成する過程では、私の考えの欠けているところを補ってもらったことが有り難かったですね。例えば、製品を作成するだけでなく、それを販売していくための営業手法やそのための組織体制づくりなどです。
年度方針書の作成
私が社長を引き継いでから6年ほどが経っていましたが、それでも私のやりたいことをいかにして従業員に伝え、理解してもらい、実際の行動につなげていくか、ということについて試行錯誤中でした。そんななかで佐原先生から示された方法が、年度方針書の作成と伝達でした。これは、自社の経営理念から行動指針にはじまり、前年度の反省と課題、今年の行動計画などを従業員達にわかりやすく伝えるものです。自分自身は社長兼営業担当者として会社の外でお客様周りをしている時間が多いのですが、そうした時にどのような仕事をしているかを丁寧に従業員に伝えておく必要があります。そうすることで社長として会社の席を空けていても、従業員の理解を得られやすくなると思うのです。
また、従業員個人の年度目標も決めてもらい、年度方針書のなかに盛り込んでもらいます。そうすることで従業員がお互いに今年は何を頑張って取り組んでいくのかが可視化できるため、相互に理解と協力が得られやすくなる効果がありました。
営業の管理手法と心構え
私達の業界では、営業活動を綿密に管理しながらお取引先様や売上を増やしていくという考え方が浸透していないように感じます。佐原先生に関与してもらってからは、新規開拓営業を行うための見込先リストの作成や訪問記録、次回の対処法などを営業管理として指導して頂きました。これまでは成り行き的であった営業がシステマティックに進められるようになりました。営業活動は、すぐに成果が出ないと心が折れてしまい、続けられなくなってしまいがちです。しかし、営業を管理として行うことで、そうした後ろ向きの感情によって行動を左右されるのではなく、自分や従業員への行動約束として、また使命として続けることができるようになりました。自ずと成果はついてきました。取引先数の伸び率で約200%、2倍の歯科医院様とお取引を開始できました。
「雨乞いと一緒で雨が降るまでやめない。成果が出るまで営業は続ける。」、「蒔かない種に芽は出ない。」など、営業の管理手法だけでなく心構えを教えて頂きました。佐原先生ご自身が一人の営業担当者として新規開拓営業に邁進していた時期があったそうですが、そうした行動に裏付けられた言葉は重みがありましたね。
客観的な視点で自社製品の強みを洗い出し、お客様に伝える
客観的に自社を俯瞰してもらったうえでのアドバイスにいつも助けられています。例えば、当社が作成する入れ歯の長所を患者様に伝える場合、私達は「入れ歯の厚みが薄いため装着感が良いですよ。」とか「熱伝導率が高いため、食べ物の熱を感じられます。」と、ついつい技術的な視点での言い方になってしまいます。しかし、佐原先生の「もっと患者様の感性に訴える伝え方をすべきですよ。」とのアドバイスを受けてからは、「自分の歯みたいです。」とか「食べ物がおいしく食べられます。」というように伝えられるようになり、患者様の理解を得られやすくなりました。
自社製品の長所を洗い出したり、その長所をお客様の感情に訴えかけるように伝えるのは、自分だけではなかなか難しいものです。そうした場合に外部専門家の視点を取り入れることはとても効果的なのだと実感しました。
社長と従業員との橋渡し役として
従業員とは何でも話せる関係づくりを心掛けていますが、それでも従業員の本音に迫れているかどうか時々は疑問に思うときがあります。また、従業員に注意してもらいたいことなどは自分が言うようにしていますがそれでも効果が薄いときもあります。そんなとき、佐原先生に助けてもらうときもあります。
例えば、従業員ヒアリングです。社長の私には本音で話せないことでも、コンサルタントには本音で話したいことや話せることがあるようです。なかには以前に従業員から社長への要望として聞かされた内容もありますが、それを佐原先生の口から改めて聞かされると「何か対応をしなければいけないな。」と感じることもしばしばです。
反対に、社長の口から従業員に何回も伝えているのに守られていないことでも、佐原先生の口から伝えられると何かを感じとっているような時も有ります。
要するに、社長と従業員とのコミュニケーションの橋渡し役なのですね。お互いの言っていることを単純に伝えるだけではなく、佐原先生なりに咀嚼し、双方が気持ちよく言い分を聞き、行動できるように上手に変換してくれているのだと思います。
他社の事例の紹介
私もいろいろな経営の勉強会には参加したり、他の経営者仲間との情報交換に努めたりはしていますが、それでも自分の持てる情報量には限りがあります。特に自分が本当に知りたい、他の中小企業の生きた情報は特に知りたいと思いますが、見聞きする機会がまだまだ不足していると感じています。
そんなときに佐原先生にお聞きする、生きた中小企業の他社の事例はとても参考になります。例えば、「マイナンバー対策は実際にどうしているのか?」、「金融機関との上手なつきあい方はどうしているのか?」にはじまり、ここには書けないような質問もいろいろです(笑)。勿論、守秘義務上、事例企業の実名を明かすことはありませんが、そうした本やウェブ上では収集できない「生きた情報」に明るく、いつでもお聞きできることは非常に心強い存在だと思います。
有限会社デンタルワールド 様
代表取締役 | 山田裕由 様 |
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