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COLUMN 92

先代社長の時代錯誤な経営感覚

後継社長としての立ち振る舞い

先代社長の時代錯誤な経営感覚.JPG

バカヤロー! 何が経費削減だ! 売上を上げればええんだがや!売上を上げれば!

夏の暑い日、狭い会議室に82歳の会長の罵声が響きました。その相手は55歳の後継社長でした。

建築資材小売業のA社は、まだまだ事業承継の問題を抱えていました。ガーデニングブームに乗じて始めた園芸用品小売業が赤字部門となり、後継社長はその赤字店舗の閉鎖とそれによる経費削減を計画していたのですが、先代社長である父の会長の理解が得られません。

本来であれば社長は交代しているのですから後継社長の裁量で思い切った経営改革を進めれば良いのですが、会長の許可なくしては何も進められない状態となっていたのです。

そして会長はこうした部門縮小と経費削減を認めず、「売上を上げて乗り切れば良い。」の一転張りです。

 会長が会社を大きくしてきた高度成長時代ならいざ知らず、バブル崩壊以降は中小企業経営にも難しい舵取りが求められます。

経営危機の打開策の一つが不採算部門の閉鎖なのですが、会長の許可が無ければ改善策は進められず、赤字を垂れ流すばかりです。

さらに悪いことに、会長がこれまでに買い足してきた不動産の固定資産税が経営の足を引っ張っていました。会長の時代には事業で稼いだ資金で不動産を買い、その不動産を担保にさらに銀行借入を起こし、その資金で事業を更に拡大していく、という好循環が機能していました。

しかし、バブル崩壊以降は土地の値が下がり、金融機関も不動産担保だけで融資をするほど甘くはなくなりました。

不動産も収益物件化できていれば良いのですが、遊休不動産となっていては税負担が重荷となるだけです。ちなみにA社では、収益を生まない遊休不動産の固定資産税が年間5百万円ほど有りました。

後継社長と奥さんは、会長に何度も「使わない土地ならばいっそのこと売ってしまおう。」と訴えかけましたが聞き入れられることはありませんでした。

終始このような調子では、後継社長が事業を引き継いでも会社がどんどん傾いていってしまうだけです。

それから3年ほど経ったある日に再度訪問しました。すると後継社長と奥さんは次のように私に言いました。

「佐原さん・・・以前はいろいろと手助け頂きましたが、端的に言うと3年前と何も変わっていません。会長は退くこともなく、社長が考えた経営改善策も土地売却も何も進められず、赤字と借入が増えただけです。金融機関にはリスケをお願いして返済をストップしてもらっていますのでなんとか持ちこたえてはいますが、会長が居る限りはもうずっとこのままかな・・・なんて思っています。」

 それを聞いて、私はなんともやるせない気持ちになりました。時間を巻き戻せたなら何ができたでしょうか? 

一つ目は、会長が自身の立場を理解して後継社長に経営改善を任せることです。しかしこれはA社では叶いませんでした。

二つ目は、後継社長の立場で、会長に対してより強く経営を任せてくれるように申し伝えることです。それも聞き入れられなければ自らが会社を退社する覚悟でより強く伝えていくことも必要であったかもしれません。

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