兄弟のどちらに継がせるかに迷ったら・・・・
後継者の覚悟を問う
「佐原さん・・・ ウチの会社、長男と次男の二人が会社に入っているんですが、どちらに継がせたらよいか迷っているんですよ・・・
しかも自分から「お前に任せる」とはなかなか言いづらくて・・・」
事業承継を2年内に進める予定の社長からの相談でした。
後継者難のこの時代にあって、息子の長男と次男の二人ともが会社に入社してくれているのはある意味とても有難いことです。
しかし、兄弟が同じ会社に居ることによる、こうした後継者決定という悩みも少なくありません。
そして兄弟のどちらが優れた経営者になるかと言っても、完全な人間はそもそも存在しませんし、長所も短所もどちらもあるのが普通の人間です。
このような後継者選びに迷った場合、どういう判断基準で選び、決定すべきでしょうか。
佐原も実際にこうした相談の場に立ち会い、社長と後継者兄弟の二人を交えた検討会を何度も開いてきました。
その場ではお互いが微妙な空気を読み合うような、神経が張り詰めた場になります。
それでも本来は現社長が自らの信念と価値基準を持って威厳のある決断を下すべきでしょう。
しかしそうした厳しい決断を下せる社長ばかりでもありませんし、兄弟が共に優れている場合には二人のどちらにするかを決めかねる心情も理解できるのです。
そこで佐原は、こうした後継者を決定する場で決断を促すためにいくつかの質問を投げかけるようにしています。
その一つが「個人保証を負う覚悟があるか?」というものです。
これは苦難を乗り越えてでも会社経営をやり切る、という経営者としての覚悟を見るための「踏み絵」です。
後継者の経営能力がいくら優秀であっても、社員の人望がいくら厚くても、会社がどのような危機状況に陥ったとしても自分の力でなんとか乗り越えて見せる、という覚悟の決意がなければ中小企業の経営者は務まりません。
ちょっと経営が悪化したくらいで諦めてしまったり、弱音を吐くようだとしたら、いくら知識や能力が備わっていたとしても経営者失格と言わざるを得ないのです。
個人保証の問題は、金融機関の業界でも次第にその解除に向けた動きが進みつつあります。
しかし、金融機関にとってもすぐに諦めてしまったり辞めてしまうような後継社長が経営する会社には、自信をもって融資をすることができません。
後継者を選ぶには、経営に賭ける覚悟の他にも、そもそもの管理能力やリーダーシップや社内の人望、営業力、といった要素があり、それらを総合的に見極めるものです。
しかし今回お伝えしたいことは、まず大事にしたい要素として「後継社長としての覚悟」を見極めたいということなのです。
・「経営リファイン承継Ⓡ」をより詳しくご覧頂くには下記をご参照下さい。
↓
https://sahara-keiei.jp/businesssuccession/succession04.php
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