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亊業承継コラム「後継社長への軍略書」

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COLUMN 67

M&Aによる売却が決まったときから業績が下がる?

社長の士気を最後まで保つ

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中小企業でもM&Aによる会社の売買が盛んです。

後継者が居ない会社の経営者にとっては、自社の社員も取引先もノウハウも一括して引き受けてくれて、その対価として売却益を得られるのは確かに魅力だと言えるでしょう。

しかし、そうした一見は便利そうなM&Aを進める前の段階で気を付けるべきこともあります。

それは、M&Aによる売却を進めようとしたとき、そして買い手が見つかって売却に向けて具体的に進みそうになったとき、その会社の業績が急に下がる場合が多いということです。

なぜなら、中小企業の業績はその会社の経営者によって支えられていると言っても過言ではないからです。

M&Aによる売却が決まりかけると、「社長の気が緩む」というのが最大の要因だと言えます。

社長の気が緩むと、ついつい売上や利益といった財務計数への関心が薄まってしまったり、本来であれば管理者や社員に対して鞭打つところをしなくなってしまったり、社長の気合や経営に対する本気度の薄まりを社員達が敏感に察知してしまったりするわけです。

社長業と言う仕事は、プレッシャーも気苦労も有る仕事です。

これまでの何十年かを仕事に打ち込み続けてきたことでしょう。

そうした重責からもうすぐ解き放たれるかもしれない、といったちょっとした気の緩みがそうさせるのは仕方のないことかもしれません。

仮に一時的に業績が下降したとしても、すぐに新たな経営者が見つかって会社を買い取り、持ち直してくれれば良いでしょうが、もし思惑どおりに売却が進まなかったとしたらどうでしょうか?

ですから、M&Aによって会社を売却しようとする経営者は、このことを知っておくべきなのです。

会社の売却が決まりかけると経営者の気の緩みから業績が下がる。

だから、しっかりと最後まで気を抜かずに経営に邁進すること。

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