事業承継を巡るトラブルの多くは、現社長と後継社長とのコミュニケーション不足が要因です。さらには、社長と後継者という関係以前に、父と息子、娘といった親子関係であることがコミュニケーションの阻害要因になっていることが多くあります。
私が直接に関わった事業承継案件においても、全く揉めることなく、事業承継を進められている中小企業は意外に少ないのが実情です。
大塚家具の経営方針を巡る親子の対立は、先代社長が行っていた従来型ビジネスを危惧した後継社長の経営方針の変革に端を発しました。
前向きかつ建設的な意見調整が必要不可欠なのにも関わらず、親子の場合、その関係性によって感情論になってしまいます。なかでも経営方針のあり方を巡っては、経営に唯一の正解が無いことが事態をさらに難しくさせてしまうのです。
オヤジ社長と後継社長に共通していえること、それは、どちらも会社の発展を願っているということです。
最も望ましい事業承継とはどのように進めれば良いのか?
まず最初にやるべきこと、それは、後継社長の夢、オヤジ社長の夢、会社の夢を掲げることです。「夢」は、前向きな対話ツールになります。
三者の夢や目標を擦り合わせながら策定することで、相互理解を促しつつ方向性を一つに束ね、お互いの信頼関係を醸成できるのです。
経営戦略を転換しつつ企業経営を良くするためのコミュニケーションツール、それが本書でお伝えしている、社長と後継者、そして会社の中長期目標策定(夢かな計画)なのです。
夢かな中長期計画
本書では、オヤジ社長、後継社長に「将来こうなりたい」という大きな「夢」を掲げ、夢をかなえるための具体的な計画の立て方、夢の叶え方を具体的にお伝えしています。
他にも、中小企業で事業承継に失敗した事例や、早期の事業承継により夢をかなえたオヤジ社長の成功事例を数多くご紹介しています。
中長期計画「夢かな計画」を活用して、親子のコミュニケーションを円滑にすると同時に、前向きかつ建設的な意見調整の場をつくることが円滑な事業承継の近道です。
日本の労働市場で人手不足が深刻となり、中小企業経営の基盤を揺るがしつつある中で、多くの中小企業が存在する市場の拡大が見込めず、なんとなく閉塞感が漂っています。
特にこれからの中小企業を牽引していく後継社長には、大きな夢を掲げて力強く前に進んでもらいたいものです。
本書が、御社の事業承継を円滑に進めるためのツールの一つとしてご活用頂ければ幸いです。
事業承継は3つの夢を語れば成功する!
なぜ、大塚家具は親子ゲンカをしたのか?(セルバ出版)
ISBN978-4-86367-472-1
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