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2018/06/04
後継者を創業塾に行かせる

後継者を創業塾へ.PNG

後継者を創業塾に行かせることをオススメしている。

「創業塾? これから起業する人たち向けのセミナーだろ? なぜ?」 と思われるかもしれない。

でもオススメなのだ。その理由をこれから述べよう。

後継者のなかには、こんな悩みを抱える人達が実は意外に多い。

・「ウチの社員達、先代の方針とやり方に馴染み過ぎてしまって古いんだよね・・・

 そのわりに不平不満が多くて困ってしまうよ・・・」

・「ウチの会社の設備、もう少し新しくてマシな設備があれば生産性がもっと上がるのに・・・」

・「もうすこし良い立地に店舗があればなあ・・・もっと集客力も上がるのに・・・」

・「ウチの取引先・・・単価が低くて利益率が低いのだよね・・・」

・「もっと負債が少なかったらなあ・・・」

これらの気持ち、私も良くわかる。

痛いほどにわかる。

後継者が事業を引継いでみて初めてわかる会社の課題も多い。

そうした課題が山積し、自分が新社長として全責任を負って解決していかねばならないのだ。

一方で、これらの感情は、要するに自分がこれから継ぐ、又は継いで間もない会社の不足に対する不満でもある。

私が知る後継社長で、これから起業する人達向けの「創業塾」(創業者向けセミナー)に参加した人が何人か居る。

彼らの受講動機は「創業者向けのセミナーであれば、販売促進から経営計画策定までの経営に関する一通りを初心者向けのわかりやすい解説で学び直すことができる。」というものが多い。

勿論、セミナーの内容そのものもそうであろう。

しかし、受講後に開かれるセミナー参加者同士の懇親会の場で、後継者達はあることに気づかされる。

そのきっかけは、これから創業しようとする他の受講者達との会話のなかでである。

創業塾受講生達の多くは、こんな話題を懇親会の場でしていることが多い。

・「飲食店を開業したいんだけど、○○辺りの立地なら集客力ありそうかなあ。」

・「まずはテナントの内装や看板設置に必要な資金○○万円を銀行から借りようと思うのだけど、どうすれば借りられるだろうか? 希望額を貸してくれるかなあ?」

・「開業する2か月前にはスタッフ採用をしたいけど、どうやって求人をしようか? 

 求人サイトで応募にきてくれるかなあ?」

・「日々の会計処理ってどうやってやるのだろう? 税理士にお願いできるのかなあ?」

起業する人は、文字通り「ゼロ」からのスタートである。

人材も居なければ、資金もかなり限られている。

経営ノウハウも無ければ、顧客も居ない。

売上も利益も当然に始めはゼロ。

このようなゼロスタートを、人生を賭して創めようとする人達を、後継者達はどのような視点で見ているのだろうか?

ある後継社長は次のように語ってくれた。

「私は、先代から5年前に事業を引継ぎました。

それも先代の事情で突然に社長を任されることになったのです。

会社の経営をすることの右も左もわからず、がむしゃらに頑張ってきました。

なのに、先代からのスタッフは自分のやりかたに反発して、自分だけが孤立してしまいました。

何人ものスタッフが会社を去りました。

会社の設備も老朽化が進み、手直しには多額の資金が必要です。

お客様達は、わが社を支援してくれていますが、収益状況は安泰ではありません。

なぜ、自分だけがこんなに辛い思いをするのだろう・・・

いつ、どのタイミングで、この会社を畳めばいいだろう・・・

そんなことばかりを考えてきました。

でも、創業塾に出て、他の起業を予定する受講生仲間の話を聞いて勇気づけられました。

自分と自社には、事業に必要な全てが揃っていると。

他の起業する人が、事業に必要な全ての基盤をこれから苦労して揃えなければならないのに、

自分には、事業の基盤があるのだと・・・

だから、これからは気力と知力を振り絞って、全身全霊をかけて会社経営をやっていこうと決めました。」

「足るを知る者は富む」という言葉がある。

中小企業では、全ての経営資源が満足に揃っていることは稀であろう。

自社に足らないものに目を向けるか・・・

それとも足りているものに目を向けて、それをどのように活かしてやろうと考えるか。

創業塾は、後継者にそんなきっかけを与えてくれる場にもなるようだ。

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